家具用ワックス比較

ワックスはアンティーク家具を長くご愛用頂くうえで欠かせないメンテナンスグッズです。
乾燥によるひび割れや反りの予防はもちろんの事、経年変化によるアンティーク家具独特の美しいツヤや風合いを引き出してくれます。
今回は6種類のワックスを比較検証し、使用感や特徴などをまとめてみました。
是非ご覧になってください。
左から
BRIWAX
FEED-N-WAX
JACPOL
MYLANDS
TOWN TALK
VERNAX
今回はこちらの6種類のワックスをアンティークの棚板に塗りこんで、磨き上げた違いを見てみようと思います。
磨き方はウエス(布)でワックスを適量塗りこみ、少し時間を空けて乾くのを待った後、柔らかな布で拭き取るという簡単な工程で試してみます。
ワックス前の棚板は光が乱反射し、少しカサカサした肌触り。
汚れもあり、木目もはっきり見えない状態です。
ワックス後はツヤが出てしっとりとした肌触り。
深みのある色艶も出ました。
写真でもお分かりいただけると思いますが、6種類のワックスで磨き上げた後の艶の差は肉眼でも明確な違いがあまり分からない結果になりました。
このBefore/Afterの写真だけではワックスの違いが分かりづらいと思いますので、実際に使ってみた使用感や特徴などを表にしました。その下に一つずつのWAXの特徴を解説しましたのでご覧ください。                        
WAX ツヤ 塗りやすさ 拭き取りやすさ べたつき 匂い
BRIWAX
FEED-N-WAX
JACPOL
MYLANDS
TOWN TALK
VERNAX
  • BRIWAX
  • 1860年イギリスのロンドンでヘンリー・フラックによって開発されたBRIWAX。
    BRIWAXはイギリス国内での生産にこだわり続け、今日まで変わらず高品質の製品を世界に供給し続けています。
    カラーのバリエーションは透明のクリア他14種類ほどあり、DIYでアンティーク風の塗装などにもお勧めの商品です。

    原産国・・・イギリス
    主成分・・・蜜蝋、カルナバ蝋など


    今回使用したものは【トルエンフリーのカラーは『クリア』】
    柔らかく伸びのあるこのワックスは非常に塗りやすいです。
    杢目にもしっかり浸透している印象で、表面の拭き取り、磨きは比較的楽にできます。
    ワックスをかけてから磨くまでは15~30分ほど乾燥させます。
    磨き上りは、しっかりと艶も出て杢目もはっきりします。
    ワックス自体の匂いは少し油の匂いがしますが、磨き上げるとそれほど匂いは残りません。
  • FEED-N-WAX
  • アメリカのHOWARD PRODUCTS社のFeed-n-Wax
    木製の家具のみならず、ギターのケア用品としても世界のトップメーカーとして知られています。
    原産国・・・アメリカ
    主成分・・・蜜蝋、カルバナ蝋、オレンジオイルなど


    今回使用した【Feed-N-Wax】はジェル状のワックス
    そのため非常に伸びがよく杢目に浸透するのもよくわかります。
    塗布したのち20分ほど乾燥させます。
    拭き取りも非常にしやすく、磨き上げた後のベタツキはまったくといっていいほどありません。
    磨き上りの印象は艶も出ますが、どちらかというとしっとりと深みのある味が出る印象。
    匂いはオレンジオイルを配合している為オレンジの爽やかな匂いで、匂いだけだとワックスか分からないぐらいとてもいい匂いです。
  • JACPOL
  • イギリスで最も歴史のあるJAMES JACKSON社のJacpol Antique Wax。
    世界のアンティーク業界では知らない人はいないほど有名なアンティーク家具のメンテナンス用品です。
    Jacpol Antique Waxはライト、ミディアム、ダークの三色の製品があります。

    原産国・・・イギリス
    主成分・・・蜜蝋、カルナバ蝋、ステインなど


    今回使用したのは【Jacpol Antique Waxのカラーは『ダーク』】
    匂いはステインが含まれているため、ワックスの缶を開けると部屋にステインの匂いが広がります。
    半固形状のこのワックスは、BRIWAXに比べると少し伸びがない印象。
    そのため拭き取りも少し力が必要です。
    このワックスも塗布してから磨くまで15~30分ほど乾燥させます。
    磨き上りはしっかりと艶が出て、杢目を保護してくれている様子です。
    このワックスは色付きの為、細かな傷を隠す際や白木に色をつけると同時にワックスがかけられるため、
    利便性にとても優れた商品です。
    作業中にワックスの色がついてしまったり、しっかり磨き上げないと残ったワックスが服についてしまうので注意が必要です。
  • MYLANDS
  • 1884年イギリスのロンドンで創業した老舗塗料メーカーMYLANDSのWAX POLISH。
    英国王室でも認められたMYLANDSはウィンザー城や博物館などでもメンテナンスや家具のケアに使われている程の高い信頼を得ています。

    原産国・・・イギリス
    主成分・・・蜜蝋、カルナバ蝋など

    今回使用したのは【MYLANDS WAX POLISHのカラーは『クリア』】
    匂いは油系の匂いが少ししますが、作業中もそれほど気になりません。
    半固形状のこのワックスは、BRIWAXと比べると少し伸びがない印象。
    塗布した後数分乾燥させます。
    少し硬めのワックスの為、拭き取りに少し時間がかかります。
    仕上がりは上品な艶が出て杢目もしっかりと保護してくれている印象。
    塗りこみと磨きに少し時間がかかりますが、その分しっかりと杢目を保護し風合いを引き立たせてくれます。
    時間を掛けてもしっかり家具を磨きたい方にお勧めです。
  • TOWN TALK
  • TOWN TALK社は1895年創業の家具用ポリッシュ&クリーナー、金、銀、パール、クリーナーの総合メーカーです。
    地球環境、人にやさしいというコンセプトの製品作りで、高い安全性と高品質の商品を扱っていることにおいても世界で知られているメーカーです。

    原産国・・・イギリス
    主成分・・・蜜蝋、カルナバ蝋、天然オイルなど

    今回使用したのは【TOWN TALK ファニチャーワックス】
    匂いはほのかな柑橘系の香り。
    半固形状のワックスは少し伸びがない印象。
    塗布した後は10分ほど乾燥させます。
    少し硬めの印象のこのワックスは、他のものと比べると拭き取りに少し時間がかかります。
    しっかりと拭き取らないとベタツキが残ります。
    磨き上りは艶がしっかりとでて、杢目を保護してくれている印象です。
  • VERNAX
  • Uncle Billはハガティ社の歴史の中で、功績を遺した3代目会長ビル・ハガティから【アンクルビル(ビルおじさん)】と命名された日本のブランド。
    Uncle Billシリーズは家具のケアのみならず金、銀、プラチナ、パールなどのアクセサリーのケア用品なども扱っているシリーズです。

    原産国・・・アメリカ
    主成分・・・蜜蝋、ヴェジタブルワックス、
    パラフィン、テレピン油、水

    今回使用した【Uncle Bill VERNAX】はクリーム状のワックス
    テレピン油が含まれているせいか、少し匂いがあるの換気を良くして使用せることをお勧めします。
    伸びがよく非常に塗りこみやすいワックスです。
    杢目に浸透して、揮発性も高いこのワックスは塗布した後すぐに磨きの作業ができます。
    磨き上り後はベタツキもほとんどなく、しっかり艶が出ます。
  • まとめ
  • 家具用ワックスは紹介した6種の他にもまだまだたくさんの種類があります。
    艶感、保湿性、匂い、使用感もそれぞれ違い、使う人によっても良し悪しがそれぞれあると思います。
    クルスオーアンティークではその中でも誰もが使いやすく短時間で作業ができる【VERNAX】を販売しています。
    今回使ったほかのワックスも後々取り入れていきたいと思いました。
    家具をお手入れする際は是非参考にしてみてください。